改正会社法施行後の株主総会

師走になりまして、どこか世間はそそくさと

している状況ですが、私もバタバタしている

ような毎日です。

無事に今年が終われるように祈る日々です。

 

今年の商事法務の株主総会白書を見ている

と、5月1日施行の改正会社法を背景に上場

会社はそれぞれ対応を行ったみたいです。

 

①社外取締役を置いていない場合一定の会社

 について「社外取締役を置くことが相当でな

 い理由」の説明義務

②社外役員の資格要件の厳格化

③監査委員等設置会社

④会計監査人の再任等決定機関の変更

⑤企業集団の係る内部統制システムの整備

 義務の法定化

⑥責任限定契約の非業務執行者の拡大

 

等々、文中では紹介されております。

 

②の社外役員の資格については会社法の附則

で、経過規定が設けられておりますので、即時の

対応は免れているのかもしれませんが、どちらに

せよ東証規則には独立役員設置の定めもあり

ますが、各上場企業も社外役員について、改正

会社法も踏まえた再考が必要なのかもしれません。

 

調査結果で、改正対応の割合が大きいのは

「内部統制システムの変更」「責任限定契約

対象拡大の定款変更」「会計監査人の解任

または不再任に関する決定方針の変更」

「社外取締役の選任」の順みたいです。

 

上場企業からすると、やはり自社の企業価値

を維持継続する上でガバナンスは非常に重要

な要素ですから、速やかな対応をした印象です。

後、責任限定契約の定款変更は、実際私も数社

程登記手続をさせていただきましたが、社外役員

資格の厳格化に伴い、非業務執行者への負担

軽減は当然でしょうから、定款の変更が必要に

なったと考えられます。

 

個人的には来年の定時総会に向けて、経過措置

が適用されない様々な規定が出てくると予想さ

れますので、相談対応できるように準備しておく

必要があるなと実感しております。

 

監査等委員会設置会社への移行する上場企業が

増加するなんてお話も聞きますが、上場企業をはじ

めとした日本の株式会社が、投資家の視点に立ち、

より良い企業経営を行える土壌を構築することは

最重要課題と言えますね。

 

 司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志

司法書士法人高山事務所

スタッフ一覧

髙山修二(所長)

高山事務所の代表です。

記事を見る

最近のブログ記事

by 梶原貴志 2021年03月03日

令和元年改正会社法施行

by 梶原貴志 2017年12月11日

登記懈怠について

by 梶原貴志 2017年03月18日

株式譲渡制限規定の定款変更の必要性

by 梶原貴志 2016年09月17日

オンライン申請の特例方式

by 梶原貴志 2016年08月09日

取締役の任期の短縮

by 梶原貴志 2016年02月08日

商業登記規則等の一部改正案について

by 梶原貴志 2015年12月10日

改正会社法施行後の株主総会

カテゴリ