朝晩グッと寒くなりまして、秋も深まって
参りました。これから京都は紅葉の季節
を迎え、多くの観光客で賑わうことにな
ります。
今日は遺産分割協議に関連した登記の
添付書面について、2つご紹介します。
『前提』
被相続人 A(父)
相続人 B(母) C(長男) D(長女)
①Aが亡くなり、自宅不動産について
B、C、Dの間で遺産分割協議を行い、
長男であるCが相続することになりました。
相続登記に向けて書面の準備をしている
さなか、母Bが死亡してしまいました。
死亡前にBが取得した印鑑証明書は
手元に存在します。この印鑑証明書を
添付して、登記申請は可能でしょうか。
⇒遺産分割協議書に添付する印鑑証明書
については、特段の期間の制限はありま
せんので、母Bの生前の印鑑証明書を
添付して、相続登記申請することは可能
です。
ちなみに、売買や贈与による所有権移転
登記、抵当権設定登記の際に添付する
印鑑証明書については申請時を基準に
3ヶ月以内のものが必要です。
これは、同じ印鑑証明書でも添付に対する
根拠法令が異なるためです。
②Aが亡くなったので、自宅不動産について
B、C、Dの間で遺産分割協議を行い、
長男であるCが相続することで合意成立
しました。その内容について遺産分割協議
書を作成したものの、登記に添付するBの印鑑
証明書の交付を受ける前に、Bが急死してしまい
ました。よって、Bの印鑑証明書を添付できない
場合、どのように対応すればよいでしょうか。
⇒この場合、真正な相続人であるBとC及びDの
間で遺産分割協議は成立したことは事実です
ので、その事実とBが死亡したことによりBの
印鑑証明書を添付できない旨を記載した証明書
をC及びDが作成することで、補完できます。
当該証明書には、C及びDの実印の押印とそれ
ぞれの印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議書に押印する実印の印影と印鑑証明書
の印影を照合することで、法務局はそれが真正な
協議書であるか確認をいたします。
よって、遺産分割協議書に押印する際は綺麗な印影
になるようにご留意ください。
もし、薄かったり欠けたりした場合も、その横に押印
しても問題はありません。
司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志