台風11号が通り過ぎ、ようやく雨が
止んできた京都ですが、本当に昨日
から今日にかけて雨がよく降りました。
賀茂川も激流になっていて、かなり恐ろしい
風景になっております。
皆様がマイホームを購入される際に、金融機関
の住宅ローンをご利用されるかと思います。
その際、購入不動産の所有権を取得するのと
同時に「抵当権」設定登記が必ずされます。
御存知の通り、金融機関は融資を行いその被担保
債権を保全するために抵当権を設定するのですが
、登記簿の抵当権の原因の箇所をご覧いただくと
「平成年月日保証委託契約による求償債権平成
年月日設定」と登記されていることがほとんどだと
思います。
そもそも保証委託契約は何かと申しますと、簡単に
記してみます。
(仮定)
債権者 A銀行
債務者 B(⇒皆様です)
保証人 C保証サービス株式会社
Bが住宅を購入したいのでAに融資の申込を行い
、Aの事前審査で承認がおりたらAはBに貸付を
行う訳ですが、BがCに対し保証人になってください
と依頼(委託)し、Cがこれを承諾したときは、BとC
の間で保証委託契約が成立することになります。
つまり、AとBはお金の貸し借りに関する金銭消費
貸借の関係でしかない訳です。
抵当権を設定するのはCになる訳ですが、Cは何を
被担保債権として抵当権設定するかというと、原因
の後段にある「求償債権」を担保するため登記を行い
ます。
この求償債権とは、BはAに対して融資を受ける際に
決めた約定に基づいて毎月返済をしていく訳ですが
、その返済が滞った場合にBは期限の利益を喪失し
て全額を返済する義務が生じます。その際、CはA
に対して代わりに返済を行います(代位弁済)。
CはBのため肩代わりした訳ですから、その肩代わり
した金額を請求でき、これを求償権といいます。
抵当権の被担保債権は今現在その債権が具体化
していなくても、将来発生する可能性がある債権
についても登記上問題はありません。
よって、Cは将来もしかしたら発生するかもしれない
債権について抵当権を設定していることになります。
以上における保証委託をお願いするに際して、皆様
は銀行指定の保証会社に保証料を支払われていま
す(将来の金利に上乗せするケースもあります)。
過去の質疑応答では、契約条項によって登記原因は
①「保証料債権と求償権とを担保する」旨の定め
⇒ 「年月日保証委託契約年月日設定」
(登記研究385.79)
②「求償債権その他一切の債権を担保する」旨の定め
⇒「年月日保証委託契約年月日設定」
(登記研究411・85)
③「求償債権を担保する」旨の定め
⇒「年月日保証委託契約による求償債権年月日設定」
(昭和48、11、1民三8118・登記研究385・79)
と、されております。
最近は融資実行段階で保証料を全額支払ケースが
ほとんどですので、③の登記事項が多いことに
なっています。
司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志