内縁について

台風の接近に伴い京都は朝から気温が高いです。

駅から事務所まで歩く間だけでも、少しクラクラして

しまいました。

今日は、水分補給が欠かせないようですね。

 

 最近、婚活への行政支援等メディアによってクローズアップ

されていたりしますが、婚姻とはあくまで法律的手続に

基づいた「法律婚」であり、それ以外の所謂「事実婚」

は内縁とされ、法律的にはその取扱が異なります。

 内縁に関していくつかの定義が唱えられているみたい

ですが、現在は、婚姻に準ずる関係(準婚関係)とするの

が一般的でしょうか(最判昭23.4.11)。

 

 内縁にも婚姻の規定の準用がされるものはいくつか

あります。

「内縁に準用される婚姻規定」

①夫婦の同居・協力・扶助の義務(大判大10.5.17)

②婚姻費用分担義務(最判昭33.4.11)

③日常家事債務の連帯責任(東京地判昭46.5.31)

④帰属不明財産の共有推定(大阪高判昭57.11.30)

 

「内縁に準用されない婚姻の規定」

①姻族関係の発生(民法725③)

②夫婦同氏の原則(民法750)

③成年犠牲(民法753)

④子の嫡出性(民法772)

⑤配偶者の相続権(民法890)

⑥夫婦間の契約取消権(民法754)

 

 その他、一方のパートナーと「離別」して内縁関係が解消した

場合は、財産分与(民法768)の規定を類推適用することは

認められる(最判平12.3.10)が、一方のパートナーが「死亡」

して内縁関係が解消された場合は、財産分与の規定は類推適用

はできない(同判例)とされています。

 

 一方のパートナーの死亡による内縁解消の場合は、本人の相続財産

について財産分与の法理をで遺産を清算する道を開くことは、相続による

財産承継の論理的構造に異なった契機を持込むもので、法の予見すると

ころではないとの理由からとされています。

 

 夫婦別姓の議論にも絡むかもしれませんが、法律婚を望まない形態の

夫婦も日本にも存在しますし、以前テレビのドキュメンタリーで観ましたが

フランスでは法律婚に縛られない形での男女のパートナー制度があるみ

たいです。

 

 お互いがどのような関係を望むにせよ、その関係が解消された際の手当て

を含めて事前に決めておいた方が、無難かもしれません。

 

               司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志

 

 

 

 

司法書士法人高山事務所

スタッフ一覧

髙山修二(所長)

高山事務所の代表です。

記事を見る

最近のブログ記事

by 梶原貴志 2021年03月03日

令和元年改正会社法施行

by 梶原貴志 2017年12月11日

登記懈怠について

by 梶原貴志 2017年03月18日

株式譲渡制限規定の定款変更の必要性

by 梶原貴志 2016年09月17日

オンライン申請の特例方式

by 梶原貴志 2016年08月09日

取締役の任期の短縮

by 梶原貴志 2016年02月08日

商業登記規則等の一部改正案について

by 梶原貴志 2015年12月10日

改正会社法施行後の株主総会

カテゴリ