今日の朝、嫁さんが2人の子供達のためにお弁当を作って
いて、自分の小さい頃を少し思い出しました。
お弁当は作る方は大変ですが、食べる方はあっという間に
たいらげてしまい、私の母も大変だったんだろうなと、申し訳
ない気持ちでいっぱいです。
ちなみに、先日の母の日は実家の母に花を贈りました。
今日は、相続開始の時期について。
民法882条で「相続は死亡によって開始する」とあります。
死亡と言えば、人間ですから病気や事故により亡くなったり、
そんな場面をイメージされるかと思いますが、法律上はそれば
かりではありません。
上記の死亡は以外に、「失踪宣告」があります。
失踪宣告は大きく分けて、「普通失踪」「危難失踪」とに分類されます。
普通失踪は、不在者の生死が7年間明らかでないときに、7年の期間
満了時点で、死亡したとみなされます。
危難失踪は、戦地に臨んだ方、沈没した船舶に取り残された方、その他
死亡の原因であるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ
後、船舶が沈没した後、又はその他の危難が去った後、1年間明らかでない
ときは、危難が去った時に死亡したとみなされます。
最近では韓国での旅客船沈没事故のようなケースがあてはまります。
他に、「認定死亡」があります。
通常は死亡の届出は、親族等の届出義務者によって行なわれます。これに
対し、死亡の蓋然性が極めて高い場合に、取調べ官公署の報告によって死亡
事項が戸籍に記載されます(戸籍法89条)。判例は、「反証のない限り当該戸籍
簿の死亡の日に死亡したものと認むべきである」としています(最判昭和28.4.23)。
また、100歳以上の高齢者の所在が不明で、その生死及び住所につき調査の
資料を得ることができないときは、市町村長より職権消除の許可申請書にその
事由を記載し戸籍謄本及び戸籍附票謄本を添付させ、監督法務局又は地方法務局
の長においてその消除を許可して差し支えないとされています(昭和32.1.31民甲163)。
では、上記職権抹消により、不動産における相続登記が可能か。
昭和32.12.27民三1384先例では、これを否定しております。
高齢者の消除措置は、死亡の日時場所等までも確認したものではない。この措置が
とられた場合には、戸籍には単に死亡した旨が記載し、その日時場所は表示されな
いので、死亡開始の時を認定することは不可能であるため、失踪宣告お申立てが必
要である(昭和46.2.10法曹決義の理由要旨)と、されています。
最近のニュースでも認知症高齢者の徘徊の結果、行方不明になり何年も経過して発
見されたケースもあり、前述の失踪宣告の申立件数も増加していくのではないかと危
惧しております。
独り暮らしの高齢者世帯数が増えていますが、やはり地域や行政のケアによって
高齢者一人一人を支えていく社会作りが大切ですね。
司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志