養子縁組について

新年度もスタートし、サクラ舞う季節になりました。ようやく、暖かくなって気分的にも上向きです。

司法書士法人髙山事務所も新年度がはじまり、スタッフ一同気分も新たに皆様をお待ちしております。

 

さて、昨日の京都新聞の記事に「特別養子縁組」の記事が掲載されていたので、今日は養子縁組

について触れたいと思います。

 

今日おける養子制度は①普通養子縁組②特別養子縁組の2種類があります。

 

過去から現在にいたるまで圧倒的に多いのは①の養子縁組で、婿養子であったり、相続対策の

ためであったりで、縁組をされているご家族も多いのではないでしょうか。

①の養子縁組は、基本的に「縁組意思の合致」と「縁組障害の不存在」が実質的要件になり、

形式的要件は、戸籍法に規定される「届出」で成立します。

よって、双方の承諾のもと成立するので、現在も普通養子縁組は頻繁に行われています。

 

では、前述した「特別養子縁組」はどんな制度なのでしょうか。

昭和62年の民放改正で後発的に創設された制度で、基本的には6歳未満の子の福祉を念頭

に置かれた縁組制度です。

 

まず、普通養子縁組と大きく異なる点は、家庭裁判所の許可で成立します。

その前提となる縁組の基準は

・父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情が

 あること

・子の利益のために特に必要があると認められること

が、規定されています。

 

基本的には両親が経済的事情で子を育てられないこと、子への虐待といった事情等で家庭

裁判所が審判することになります。

また家庭裁判所は、養親候補者(必ず夫婦でなければならず、片方が25歳以上が必須)と

子は6ヶ月以上の監護期間を考慮しなければなりません。

つまり、申立以前から養親候補者と子に間に同居生活実態があるのであれば、その期間や

その生活状況を報告することになります。

もう一つポイントとしては、実の父母の同意が必要になる点です。

例外的に、Ⅰ父母が表意不能の場合 Ⅱ父母による虐待、悪意の遺棄、その他養子とな

る者の利益を著しく害する場合 は除かれます。

昨日の新聞記事は、上記例外規定以外の状況で、実の父母の同意無しに縁組が認めら

れたということで、掲載されていました。

 

以前、あるNPO法人が児童養護施設に預けられた子と里親希望に夫婦との特別養子縁組

の橋渡しをする事業がテレビで紹介されていました。

熊本慈恵医大の赤ちゃんポストや、子への虐待問題が今の日本社会の根底にあるのは事実

ですが、最終的に一番大切なのは子供の福祉であり、子供が明るい夢や未来を描ける社会

になるため、特別養子縁組等様々な立法的支援が今後も必要であると強く感じます。

 

司法書士法人髙山事務所 司法書士梶原貴志

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高山事務所の代表です。

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