登記識別情報の失効申出

年度末から法務局の処理が遅くなり、登記完了までいつもの倍

の時間がかかっていましたが、ようやく法務局の処理も平常に

戻りつつあります。

年度が変わる時期は登記件数も一時的に増えますし、法務局の

方の異動も重なり致し方ないのは分かってはいるものの、毎年

何とかならぬものかと、感じております。

 

前回登記識別情報について書きましたので、今日はその失効申出

制度についてです。

 

登記識別情報は不動産の権利を証する非常に重要な情報でありますので

、盗難にあったり、情報自体が漏洩しないように管理する必要があります。

そんな管理が煩わしいとか、第三者に悪用されるのが不安という方に登記

識別情報の失効申出制度があります(不動産登記規則65条)。

 

この申出は、登記識別情報の通知を受けた者、その相続人又はその他の

一般承継人から、登記の目的及び登記原因に応じ、一の不動産ごとに

作成した有効証明情報を法務局に提供して行います。

 

申出する際に必要な書面は①申出人が法人である場合には、当該法人の

代表者の資格を証する書面、②代理人によって申出を行う場合には、委任状

③印鑑証明書(作成後3ヶ月以内のもの)、④相続その他一般承継を証する

公的書面(戸籍謄本等)が必要になります。

 

失効申出が受理されると、その登記識別情報は効力を失いますので、例えば

売買による所有権移転登記をしなければならない場面であれば、本人確認

手続等が必要になります。

 

このような登記識別情報自体が失効できる制度がありますので、特に売買による

お取引の立会前には、その登記識別情報が失効していないか否か確認すること

が私達の日常業務では当たり前になっています。

 

                  司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志

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