2013年7月アーカイブ

自筆証書遺言について

どうも、司法書士法人高山事務所の司法書士の梶原です。

バタバタしている間に、前回より1年も経過してしまいました。

これを反省材料に、定期的にアップしていきたいと思います。

 

京都は昨日祗園祭の山鉾巡行が終わり、これから夏本番。

って言っても、今年はかなり早く梅雨も明け、とにかく暑い暑い。

私の脳みそは、半分焼け焦げております。

 

今日は最近いくつかお目にかかる自筆証書遺言について少し

書いてみます。

 

自筆証書遺言は、その名のとおり自分が死んだ時のことを想定して

自らの財産の分配等について、相続人に対して意思表示する手段

です。

 

公証人を介して作成する公正証書遺言もありますが、手数料がかからないし、

証人も必要ないので、手軽に残して置けることがメリットです。

 

但し、自筆証書遺言にもルールがありますので、簡単に。

ⅰ、必ず遺言者本人が直筆書く。

ワープロやタイプ、又は手が不自由だから他人に代筆させる‥

これは無効の原因になります。

(最判昭和62.10.8.で病気等により、他人の添え手を有効と認めた

判例があったりします)

 

ⅱ、日付の特定

「年月」だけでなく、「日」も特定できるような記載をしなければ無効になります。

「私の満何歳の誕生日」のような記載でもよいとされています。

最判昭和54.5.31の判例では「昭和●年●月吉日」という記載は不適法として

います。

 

ⅲ、氏名の特定

 氏又は名の一方だけの記載や、ペンネーム・通称等の記載であっても、遺言者

本人と特定できる場合は有効とされています。

 

ⅳ押印

認印でも三文判でも必ず必要です。拇印その他の指印でも適法

とされています(最判平成1.2.16)。

 

今日は遺言の内容については触れませんが、自筆で遺言を残した後に

遺言者が死亡すれば、遺言の保管者は管轄の家庭裁判所へ検認の

申立をする必要があります。

検認手続は自筆証書遺言の証拠保全をする行為であり、遺言自体が

有効か無効か判断することはありませんので、注意が必要です。

遺言の無効を主張する者は、別途無効確認の訴訟を提起することに

なります。

 

また、自筆証書遺言をキチッと残しておけば絶対安心というわけでなく、財産

の分配方法、とりわけ遺留分への配慮が必要です。

 

現代日本は家族環境が多種多様になっており、遺言を残す必要のある方

は多いのではないかと感じています。

 

 

 

最後に、我が司法書士法人高山事務所も9月で設立して3年を迎えます。

当事務所へお声掛けいただく皆様方へは、感謝の一言に尽きます。

これからもスタッフ一同、ご依頼者様に最大限の満足を得てもらえるように

、精一杯業務に励みます。

 

司法書士法人高山事務所 司法書士梶原貴志